
ICL手術(EVO ICL)は角膜を削らない視力矯正で、米国STAAR社の薄いコラマー製レンズを眼に合わせたサイズで虹彩の後ろ・自分の水晶体の前に入れ、近視と乱視を矯正します。強度近視や角膜が薄くLASIK・LASEK・SMILE系の手術が難しい場合によく検討されますが、眼の中の十分なスペースと角膜内皮細胞の余裕が必要で、レンズはあなたの眼に合わせて発注するため、通常は検査当日には手術しません。
監修:Dr. Park JinHeung(St. Mary’s Jin Eye Center 院長、眼科専門医・医学博士、ソウル聖母病院 臨床教授(外来教授))・最終更新 2026-10-26
この記事では、EVO ICLとは何か、向いている眼と向いていない眼、手術前に必要な追加検査、米国FDAの3年研究の結果、ソウルでの滞在日数の考え方、江南駅5番出口から徒歩約5分のSt. Mary’s Jin Eye Centerでの2026年の費用を説明します。
ICL手術(EVO ICL)とはどんな手術ですか?
LASIK・LASEK・SMILE系の手術は角膜の形を変えたり角膜内の組織を取り出したりします。EVO ICLは角膜の組織を取らず、柔らかいコラマー製レンズが眼の中で眼鏡の役割をします。レンズは折りたたんで角膜の端の小さな切開から入れ、乱視がある場合はトーリックICLを使います。必要ならレンズを取り出したり交換したりできますが、眼の中に入る手術のため、レーザー手術とは異なるリスクを管理する必要があります。
EVOレンズには中央に小さな穴があり、眼の中の水(房水)がレンズの中心を通って流れます。以前のモデルでは房水の通り道として虹彩にレーザーで小さな穴を開ける必要がありましたが、EVOは通常この処置なしで手術します。中央に穴のあるレンズの研究をまとめた2018年の総説では、症状のない前嚢下混濁は0.49%(11研究・617眼、平均13か月)と報告され、穴のない旧モデルの5年追跡では6.1%と引用されていますが、追跡期間と研究デザインが異なるため直接比較はできず、著者はメーカーとの顧問関係を開示しています(Packer, Clin Ophthalmol 2018)。
| EVO ICL | 角膜レーザー手術(SILK・LASEK) | 白内障手術 | |
|---|---|---|---|
| 矯正の方法 | 角膜を削らず眼の中にレンズを加える | 角膜の形を変える、または角膜内の組織を取り出す | 濁った水晶体を取り除き人工レンズに置き換える |
| 自分の水晶体 | 残す | 残す | 取り除く |
| 元に戻せるか | 必要ならレンズの取り出し・交換が可能 | 削った角膜は元に戻せない | 該当なし |
| 主な検査 | 前房深度、角膜内皮細胞、レンズサイズを決める眼の内径 | 角膜の厚さと形、アベリノ遺伝子検査、ドライアイ | 眼内レンズの度数測定、網膜 |
| 管理するリスク | 眼圧上昇、白内障、内皮細胞の減少、感染 | 角膜混濁・角膜拡張症、ドライアイ | 後発白内障、感染など |
一般的な比較で、優劣を示すものではありません。手術方法は眼科専門医がすべての検査結果を見て決めます。
EVO ICLに向いているのはどんな人ですか?
強度近視や角膜が薄く角膜を削る負担が大きい眼で、眼の中のスペースと内皮細胞が十分にあり、度数が1年以上安定している場合に最も向いています。角膜が厚く近視が強くなければ、レーザー視力矯正とも比較します。
2014年のコクランレビューは、−6.0〜−20.0Dの近視を対象としたランダム化試験3件(228眼)を分析し、1年後に眼鏡をかけた最高視力が落ちた眼は有水晶体眼内レンズの方がエキシマレーザーより少なく、コントラスト感度と患者の好みも有水晶体眼内レンズが上回ったと報告しました(Barsam・Allan, Cochrane 2014)。追跡は1年で、研究のレンズとレーザー機器は現在のEVOレンズや最新のレーザーとは異なるため、そのまま当てはめることはできません。
| 確認すること | 一般的な基準 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 年齢と度数の安定 | 18歳以上で過去1年に度数変化なし(韓国の公的な健康情報)。米国承認は21〜60歳、1年間の変化0.5D以内 | 度数がまだ変わると術後に近視が戻ることがある |
| 近視・乱視の範囲 | 米国承認:等価球面度数−3.0〜−20.0D、トーリックは乱視1.0〜4.0Dの近視性乱視 | レンズの種類と度数を決める |
| 前房深度 | 米国承認基準は3.0mm以上(角膜の内側の面から測定) | スペースが足りないと隅角が狭くなることがある |
| 角膜内皮細胞 | 年齢・前房深度ごとの最低値(例:21〜25歳 3,875個/mm²、41〜45歳 2,350個/mm²、前房深度3.0mmの場合) | 角膜を透明に保つ細胞で、減ると再生しない |
| 隅角・緑内障 | 隅角が十分に開いていること、中等度以上の緑内障は除外 | レンズが房水の流れに影響することがある |
| 体の状態 | 妊娠・授乳中は延期 | 度数が一時的に変わることがある |
米国の基準はSTAARの添付文書と2026年2月の年齢拡大の発表に基づきます。韓国での適用は眼科専門医がすべての結果を見て判断します。
角膜がレーザー手術に適している場合は、海外患者さん向けのSILKガイドとTransPRKガイドもご覧ください。レンズについてはEVO ICLのページで詳しく説明しています。
EVO ICLの前にはどんな追加検査をしますか?
通常の視力矯正の検査に加えて、角膜内皮細胞、前房深度と隅角、レンズサイズを決める眼の内径を測り、散瞳して網膜を調べます。この値からレンズのサイズと度数を計算して発注します。メーカーの添付文書も、手術前に角膜内皮細胞の撮影、前房深度、角膜径、角膜厚、調節麻痺下屈折検査、眼圧、散瞳眼底検査を求めています(STAAR EVO ICL添付文書)。
| 検査 | 何を見るか | 結果の使い方 |
|---|---|---|
| 角膜内皮細胞検査 | 角膜の内側の細胞の密度と形 | 必要な最低値に届かない場合はICLが適さないことがあり、術後の比較の基準値にもなる |
| 前房深度・隅角 | 角膜と水晶体の間のスペース、房水の出口の広さ | スペースが狭ければ別の方法を相談 |
| 眼の内径(角膜径など) | レンズが収まる場所の大きさ | レンズサイズを選びボールト(ICLと水晶体の間の距離)を合わせる |
| 屈折検査(調節麻痺下を含む)・角膜曲率 | 正確な近視・乱視の度数 | レンズ度数とトーリックの要否を決める |
| 眼圧・視神経 | 緑内障の有無 | 眼圧が高い、緑内障が進行している場合は延期 |
| 散瞳眼底検査 | 網膜の裂孔や薄い部分 | 強度近視は網膜が弱いことがあり、必要なら先に治療 |
一般的な検査項目で、実際の組み合わせは眼の状態によって異なります。
レンズサイズはなぜ大切で、ボールトとは何ですか?
ボールトは入れたICLの後面と自分の水晶体の前面の間の距離です。文献ではおよそ250〜750μm、角膜の厚さの約0.5〜1.5倍を適切な範囲としています(EyeWiki, 米国眼科学会)。狭すぎるとレンズが水晶体に近づき白内障のリスクが高まることがあり、広すぎると虹彩を押して隅角が狭くなり眼圧が上がることがあります。この範囲は目安で、外れたこと自体で再手術を決めるわけではなく、眼圧・隅角・水晶体の状態を合わせて評価します。そのためレンズサイズを眼の内径に合わせて選び、手術直後と翌日にボールトを確認します。
強度近視は眼軸が長く網膜が薄いことが多く、散瞳検査で裂孔や弱い部分が見つかれば先にレーザーで治療することがあります。
EVO ICLの効果と副作用は研究でどう示されていますか?
米国FDAの多施設研究では、3年時点で85.8%の眼が眼鏡なしで1.0(20/20)以上の視力を得て、症状のある白内障は1眼(0.16%)でした。3年まで追跡した579眼の角膜内皮細胞は平均6.7%減少し(個人差あり)、手術直後の一時的な眼圧上昇がよく見られたため、定期検診が欠かせません。
この研究は米国14施設で629眼(327人)を登録し、579眼を3年まで追跡しました。裸眼視力1.0以上が85.8%、0.5以上が99.5%、目標度数±0.5D以内が90.7%でした。眼鏡をかけた最高視力が2段階以上落ちた眼は2眼(0.32%)でした。研究はメーカー(STAAR)の支援を受け、著者の一部はメーカーと利害関係があり、米国の結果で韓国の数値ではありません(Parkhurstら, Clin Ophthalmol 2025)。

| 項目 | 3年の結果 | 意味 |
|---|---|---|
| 角膜内皮細胞 | 術前より1年で平均3.0%、3年で平均6.7%減少(個人差あり)。10%以上の減少20.5%、30%以上0.5%、1,500個/mm²未満はなし | 減った細胞は回復しないため、レンズが眼の中にある間は確認を続ける |
| 手術直後の眼圧 | 1〜6時間で一時的な上昇19.9%(残った粘弾性物質によると分析)、ステロイド反応2.4% | 手術当日の眼圧確認と点眼の調整 |
| 瞳孔ブロック・色素散布 | なし | 中央の穴の設計に関連する結果と解釈 |
| 白内障 | 症状のある前嚢下白内障1眼(0.16%)、症状のない前嚢下混濁2眼(0.32%)。別に核白内障1眼、外傷性白内障1眼 | 定期検診で水晶体も確認 |
| 追加手術 | ボールトが高くレンズ交換2眼、トーリックの位置調整1眼、まぶしさによるレンズ摘出1眼 | レンズのサイズや位置の問題は交換や調整で対処することがある |
| 網膜剥離 | 3眼(0.48%、2人)で発生し網膜剥離手術を受けた | ICL手術との関係は確立していない。強度近視自体が網膜剥離のリスクを高めるため、警告症状を知っておくことが大切 |
出典:Parkhurstら, Clin Ophthalmol 2025、6か月の中間結果はPacker, Clin Ophthalmol 2022。いずれも米国の研究で韓国の数値ではありません。
研究以外にも、レーザー手術とは異なり、緑内障、白内障、内皮細胞の減少、眼内の感染(眼内炎)が起こることがあります。夜間のまぶしさや光のにじみを感じることがあり、トーリックレンズはまれに回転して位置を直すことがあります。メーカーは、長期的に内皮細胞が大きく減ると角膜浮腫が起こりうるため、レンズが眼の中にある間は定期的に内皮細胞を確認するよう警告しています。
- 強い眼の痛み・頭痛・吐き気と急なかすみ:眼圧が上がった可能性があります。すぐに手術を受けた医療機関に連絡してください。
- 充血と痛みが強くなり視力が落ちる:感染や炎症の可能性があります。すぐに連絡し、点眼は診察した医師の指示に従ってください。
- 光が走って見える、飛蚊症の急な増加、カーテンがかかったように見える:網膜裂孔・網膜剥離の可能性があります。すぐに連絡し当日受診してください。
- まぶしさや二重に見える症状が新しく出た・強くなった:レンズの位置や残った度数の確認が必要なことがあります。早めの受診が必要かご連絡ください。
- 韓国滞在中の診療時間外は眼科診療ができる病院の救急外来へ、帰国後なら当日中に現地の眼科・救急を受診してください。
韓国でEVO ICLを受けるには何日滞在が必要ですか?
レンズを検査後に個別に発注するため、レーザー手術より滞在全体が長くなります。検査日、レンズが届くまでの期間、手術日、そして少なくとも手術後3日目の診察までを計画し、手術後は約1週間の滞在をおすすめします。レンズが届くまでの期間はケースによって異なるため、予約時にお問い合わせください。最近の眼の記録を事前に送っていただければ、旅程の目安をご案内します。
| ステップ | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 渡航前 | コンタクトレンズ中止(ソフト5日、ハード2週間、オルソケラトロジー4週間)、オンライン予約、最近の眼の記録の送付、レンズ到着の目安の確認 | — |
| 検査日 | 角膜内皮細胞・前房深度・眼の内径・散瞳眼底を含む精密検査、専門医の相談、レンズのサイズと度数を決めて発注 | 検査約1時間+相談約1時間 |
| レンズを待つ期間 | あなた専用のレンズを準備。通常は検査当日には手術しない | 予約時にご確認ください |
| 手術日 | 散瞳、点眼麻酔、角膜の端の小さな切開、レンズの挿入と位置合わせ。帰宅前に眼圧とレンズの位置を確認 | 通常30分以内(準備・休憩は別) |
| 手術翌日 | 眼圧・ボールト・視力の診察 | 通院 |
| 3日目以降 | 診察。医師が経過を確認すれば多くの方が帰国できます。約1週間の滞在をおすすめします | 通院 |
| 帰国後 | 処方の点眼、現地の眼科で角膜内皮細胞・眼圧・水晶体の定期検査 | 医師の指示どおり |
St. Mary’s Jin Eye Centerの診療の流れに基づく一般的な日程で、検査結果と眼の状態によって変わります。手術当日はご自身で運転しないでください。


最初の1〜2日で見え方は徐々に安定し、多くの方は翌日から軽い日常生活に戻ります(個人差があります)。目をこする、サウナ・水泳・激しい運動は指示された期間避け、運転は医師が経過を確認してから始めてください。来院の準備は海外患者さんへのご案内をご覧ください。
韓国でのICL手術の費用は?(2026年)
St. Mary’s Jin Eye CenterのEVO+ ICLは両眼で₩4,700,000(トーリック₩5,700,000)、視力矯正の精密検査は₩80,000です。最終的な費用は検査後に確定します。費用に含まれるものは予約時にお問い合わせください。
| 手術(両眼) | 費用(韓国ウォン、2026年) |
|---|---|
| STAAR EVO+ Visian ICL(米国) | ₩4,700,000 |
| STAAR EVO+ Visian トーリックICL(乱視) | ₩5,700,000 |
| SILK — J&J ELITA | ₩3,500,000 |
| TransPRK — SCHWIND AMARIS 1050RS | ₩990,000 |
| 視力矯正の精密検査 | ₩80,000 |
検査費以外はすべて両眼の費用で、精密検査後に確定します。
全ての費用:St. Mary’s Jin Eye Centerの基本情報と2026年の費用・韓国のSILK・LASEK・ICL費用。
よくある質問
ICL手術は何ディオプターから受けられますか?
米国承認は等価球面度数−3.0Dから−20.0Dまでで、乱視はトーリックレンズで1.0〜4.0Dまで矯正します。実際には度数だけで決めず、角膜の厚さと形、前房深度、角膜内皮細胞数を合わせて見て、レーザー視力矯正と比較して決めます。
検査当日にICL手術を受けられますか?
通常はできません。レンズを眼の大きさと度数に合わせて発注するため、検査と相談の後、レンズが届いてから手術日を決めます。検査前にはコンタクトレンズをソフト5日、ハード2週間、オルソケラトロジー4週間中止してください。
角膜内皮細胞の検査はなぜ必要ですか?
角膜内皮細胞は角膜を透明に保つ細胞で、一度減ると再生しません。ICL手術は眼の中に入る手術のため、年齢に応じた最低限の細胞数が必要で、術後もこの値と比べてレンズが眼の中にある間は定期的に確認します。
ICLは後で取り出せますか?
必要なら取り出したり、別のサイズや度数に交換したりできます。米国FDAの研究でも、ボールトが高くレンズを交換した眼や、まぶしさのため取り出した眼がありました。ただし再び眼の中に入る手術で、それに伴うリスクがあります。
ICL手術の後でも白内障手術はできますか?
はい。年齢とともに白内障ができたら、ICLを取り出してから白内障手術を行います。ICL手術自体も白内障のリスクを高めることがあるため、定期検診で水晶体の状態も確認します。
EVO ICLのためにソウルに何日滞在すればよいですか?
検査日、専用レンズが届くまでの期間、手術日、そして少なくとも手術後3日目の診察までを計画し、手術後は約1週間の滞在をおすすめします。レンズ到着の目安は予約時にお問い合わせください。
韓国でのICL手術の費用は?
St. Mary’s Jin Eye CenterのEVO+ ICLは両眼で₩4,700,000、トーリックは₩5,700,000(2026年)、精密検査は₩80,000です。最終的な費用は検査後に確定します。
- ソウル市瑞草区江南大路337(1・4・5階)— 江南駅5番出口から徒歩約5分
- 診療時間(韓国時間):平日 09:00〜18:00(昼休み 13:00〜14:00)、土曜 09:00〜15:00
- 電話 +82-2-577-7782・メール jin.eye.center@gmail.com
- 韓国の外国人患者誘致医療機関として登録
- 基本情報と費用:St. Mary’s Jin Eye Center — 基本情報と2026年の費用
この記事は一般的な医学情報で、個別の診断に代わるものではありません。ICL手術の可否、レンズの種類、術後の見え方は検査結果と眼の状態によって異なり、どの手術にも副作用が起こることがあります。
